「工場の仕事」とひとくくりに語られることが多いですが、 実際には工程ごとに まったく違う仕事です。 扱うもの、体の使い方、勤務時間、身につく技能。 これらは配属される工程によって変わります。
ここでは 厚生労働省の統計で職種が分かれている5つの工程を、 それぞれの特徴として整理しました。 "どれが良い/悪い" ではなく、"何が違うのか" を見比べる資料として使ってください。
1. 組立
- 現場
- 自動車・産業機械・電気機械の組立ライン、セル生産の工程
- 主な業務
- 部品の取り付け、締結、配線、動作確認。工程ごとに手順が決まっている
- 勤務スタイル
- 日勤のみの工場と、2交替・3交替の工場に分かれる。交替勤務は手当が加わる
- 活かせる強み
- 手順どおりに一定の速さで作業を続ける力、工具の扱い、体力
統計上の平均年収は 533万円(自動車組立従事者のデータ)。同じ工程でも 工場や地域によって幅があります。
2. 検査・品質保証
- 現場
- 製造ラインの検査工程、出荷前の最終検査、品質保証部門
- 主な業務
- ノギスやマイクロメータでの寸法測定、動作試験、外観確認、記録の作成
- 勤務スタイル
- 日勤中心の職場が多い。ラインに組み込まれている場合は交替勤務も
- 活かせる強み
- 細部に気づく注意力、測定器の扱い、記録を残す几帳面さ
統計上の平均年収は 505万円(機械検査従事者のデータ)。同じ工程でも 工場や地域によって幅があります。
3. 溶接・金属加工
- 現場
- 鉄工所、建設機械・自動車部品メーカー、プラント工事の現場
- 主な業務
- アーク溶接・半自動溶接・TIG溶接、切断、仕上げ。図面に沿った加工
- 勤務スタイル
- 日勤中心。工期のある現場仕事では繁閑の波がある
- 活かせる強み
- 溶接資格、姿勢を保って作業する体力、図面を読む力
統計上の平均年収は 448万円(金属溶接・溶断従事者のデータ)。同じ工程でも 工場や地域によって幅があります。
4. 食品製造
- 現場
- 食品工場、飲料工場、惣菜・製パンの製造ライン
- 主な業務
- 仕込み、加工、充填、包装、機械の洗浄。衛生管理の手順が細かく定められている
- 勤務スタイル
- 早朝・深夜のシフトが組まれる職場が多い。土日稼働の工場もある
- 活かせる強み
- 衛生ルールを守る正確さ、立ち仕事への耐性、チームでの連携
統計上の平均年収は 342万円(食料品・飲料・たばこ製造従事者のデータ)。同じ工程でも 工場や地域によって幅があります。
5. 設備オペレーター(化学・樹脂)
- 現場
- 化学プラント、樹脂・ゴム製品の成形工場
- 主な業務
- 装置の運転・監視、原料の投入、成形条件の調整、異常時の対応
- 勤務スタイル
- 24時間稼働のプラントでは交替勤務が基本。手当が年収に反映されやすい
- 活かせる強み
- 装置の仕組みの理解、危険物取扱者などの資格、異常に気づく観察力
統計上の平均年収は 509万円(化学製品製造従事者のデータ)。同じ工程でも 工場や地域によって幅があります。
交替勤務と手当という もう一つの軸
工場の年収を考えるとき、工程の違いと並んで大きいのが 勤務形態です。 24時間稼働の工場では 2交替・3交替のシフトが組まれ、 深夜勤務には割増賃金が発生します。 同じ組立の仕事でも、日勤のみの工場と交替勤務の工場では 年間の支給額が変わります。
寮の有無、赴任手当、期間を区切った契約かどうかによっても、 手元に残る金額は変わります。 求人を見比べるときは 基本給だけでなく、 こうした条件をあわせて確認すると 実態に近い比較ができます。
資格が仕事の範囲を広げる
工場系の職種では、資格が担当できる作業の範囲に直結します。 溶接ならアーク溶接やガス溶接の資格、 設備オペレーターなら危険物取扱者やボイラー技士、 構内の運搬ならフォークリフトの資格が代表的です。
未経験で入ってから 会社の費用で取得できる職場もあります。 長く続けることを考えるなら、 どの資格を取れる環境かも 職場選びの判断材料になります。
職種データを詳しく見る
製造・工場系の各職種について、平均年収・都道府県別の年収差を 厚労省の統計データで一覧できます。
求人を探している方へ
産業機械の組立は、扱う製品と工程で求められる経験が変わります。工場系の求人をまとめて探したい方はこちら。
出典と注意
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年集計)。 掲載している平均年収は 全国平均の参考値で、 工場・地域・勤務形態・雇用形態によって 実際の金額は変動します。